2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540398
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小玉 一人 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 教授 (00153560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 孝 高知大学, 理学部, 教授 (10218117)
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Keywords | 圧力 / 磁性 / 強磁性鉱物 / 交流磁化率 |
Research Abstract |
実験室で数GPaの高圧力下の磁化率測定を行うためには、圧力容器の内径をφ8(mm)以下にしなければならない。そのためにまず、高温交流磁化率の小型検出装置を設計・製作した。最適な作成方法は次のとおりである。まず、外径φ2の円柱状になるように、試料を熱電対とともにセメントを用いて封入する。その周りにφ0.1のクロメル線を約30Ω程度になるように巻き、さらにセメントで固める。この上に2次コイルを巻き、その上からガラスチューブをかぶせる。ガラスチューブの上に1次コイルを巻き、雲母のシート、さらにガラスチューブで囲む。このようにしてできた検出部の外形はφ6程度である。ヒーターを一番内側に巻くことによって熱が効率的に伝わり、空気中でも約10Wの入力で700℃まで温度を上げて測定することが可能である。このコイルを用いて、Niの交流磁化率を測定したところ、文献のデータとほぼ同じ結果が得られた。また、同様のコイルを用いて天然マグネタイトの交流磁化率の測定にも成功した。ここで、注意しなければならないことは、コイルを固定するためにセメントを使ってはならないことである。セメントの素材は約500℃程度で誘電率が急激に変化し磁化率のバックグラウンドが大きく変化する。 次に、この検出部を収納することのできるタングステン・カーバイド製の圧力容器を設計・製作した。発生最大圧力は4GPa程度である。圧力媒体としてBNの微粉末を用いた。圧力容器にすべてをセットした状況で、圧力を印加しない場合には、圧力セルを使わないときと同様に交流磁化率の測定を行うことができた。しかし、検出部からのリード線が複雑に入り組んでいるため、10MPa程度の圧力で断線し、圧力下での実験には現時点では成功していない。今後は、リード線の封入方法の改善あるいは液体圧力による測定を考える必要がある。
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Research Products
(2 results)