2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星測位と超伝導重力計による氷床変動に伴う重力変化の研究
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17540400
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
土井 浩一郎 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (80290873)
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Keywords | 南極 / 氷床表面高度変動 / 重力トレンド / 超伝導重力計 / 海水位トレンド / レーザー高度計 / 干渉合成開ロレーダー |
Research Abstract |
(1)2003年9月〜1l月、2004年2月〜3月、2005年10月〜11月の3つの期間について、ICESatの軌道に沿って得られたレーザー高度計データをグリッド化し、各期間の南極全域の氷床表面高度を求め、それらの差を変動量として求めた。さらに、その表面高度の変動に現場観測で得られた高度依存係数をかけて質量変化に換算し、それによって生じる重力変化を推定するプログラムを作成した。現在、このプログラムのテスト及び結果のチェックを行っている。 (2)2003年に更新した超伝導重力計のデータには、センサーである超伝導球の材質などが原因と考えられる大きな器械ドリフトが見られ、微小なシグナルを取り出すためにはその器械ドリフトを効果的に取り除く必要がある。器械ドリフトに指数関数を当てはめ除去したところ、新旧の重力計による並行観測期間のトレンドによい対応が見られ、指数関数を仮定したドリフトの除去が有効であることが確認された。そして、器械ドリフトを除去した後の重力トレンドと海水位のトレンドとを比較したところ、約0.2μGal/cmの応答係数が得られた。今後、この応答係数の妥当性について検討を行う予定である。 (3)レーザー高度計による高度測定は、精度は高いものの離散的にしか表面高度データが得られない。一方、干渉合成開ロレーダーを用いた場合、精度は劣るものの面的に高度が得られる。そこで、両者を組み合わせて、レーザー高度計データで高精度を保持しつつ、面的に表面高度を求める方法を開発している。すでに、ERS-1/2タンデムミッション時の合成開ロレーダーを利用した場合については、高精度の面的な表面高度データの作成に成功しており、現在、日本の衛星だいち搭載のPALSARデータにこの手法を適用できるように開発を継続している。
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