2007 Fiscal Year Annual Research Report
沈み込みプレート境界で発生するゆっくりすべりのモデル化
Project/Area Number |
17540401
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
芝崎 文一郎 Building Research Institute, 国際地震工学センター, 上席研究員 (20344012)
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Keywords | ゆっくりすべり / 沈み込みプレート境界 / 摩擦構成則 / カスケード / 南海トラフ |
Research Abstract |
西南日本沈み込み帯のスロースリップイベントに関しては、その時系列的特長とセグメント構造の詳細が明らかになっている(小原、2007)。この地域に対しては、シミュレーション結果と観測事実を比較することで、物理モデルの妥当性を検証することが可能である。本研究ではそのために、三次元的なプレート境界面を考慮して、スロースリップイベントのモデル化を行った。プレート境界面を三角要素に分割し、Shibazaki and Shimamoto(2007)により提案された遷移領域における摩擦特性を考慮したすべり速度と状態量に依存する摩擦構成則を断層面に境界条件として与える。モデル領域は、四国西部から東部までを対象とする。シミュレーションの結果、非常に不規則なスロースリップイベントの発生が再現された。幾つかの領域にセグメント化され、小さなイベントが発生する場合もあれば、全領域がすべる場合もある。スロースリップイベントの発生様式は遷移領域の幅に依存し、幅が広いと大きなイベントに成長しやすい。低周波微動の分布に基づき、遷移領域の幅を四国西部で広く設定し、四国中部・東部で狭く設定すると、大きく二つのセグメントに分割される様子が再現できた。次に、モデル領域を東南海から東海地域に設定してモデル化を行った。主に、東南海と東海地域のセグメントに分かれて発生するが、時々、東南海地域と東海地域のスロースリップイベントが同時に発生することが確認された。実際の観測においても同時に発生することが確認されており、両セグメントで相互作用があると考えられる。
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Research Products
(3 results)