2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
陰山 聡 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, グループリーダー (20260052)
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Keywords | インヤン格子 / 地球ダイナモ / 地磁気 / 計算機シミュレーション / マントル対流 |
Research Abstract |
グルーバルなスケールでのマントル対流シミュレーションや、地磁気ダイナモのシミュレーション研究では、二つの球面に挟まれた領域、すなわち球殼ジオメトリのもとで初期値・境界値問題を解く必要がある。有限差分法や有限体積法などの局所的な計算スキームを使う場合、その基本格子としてはこれまでは緯度経度格子がよく用いられてきた。緯度経度格子とは球座標に基づいて緯線と経線の交点に格子点を配置した格子系である。しかし、この格子系には、(i)極が座標特異点になっている、(ii)極近くで格子点が集中しているために時間刻み(CFL)条件が厳しい、という二つの数値的問題点が存在することも広く認識されていた。これらの問題を解決するために申請者は、インヤン格子(Yin-Yang grid)と名付けた新しい球面格子系を考案した。インヤン格子では、球面を二つの合同な領域に分割し、それぞれを同じ直交座標で離散化し、境界付近を部分的に重ね合わせる。インヤン格子の開発と応用に関して、今年度得られた主な成果は以下の通りである。 (1)球面の合同2分割手法の一般的方法を構成した。これに基づき、インヤン格子の無限のバリエーションが考えられる。数値計算上、このなかでどれが一番最適かは、計算機のアーキテクチャに強く依存する。 (2)球殻ジオメトリでの境界値問題をインヤン格子上でマルチグリッド手法を用いて解く計算手法とコードを開発した。これは特に非圧縮流体の解法やポテンシャル問題への応用に有効である。 (3)インヤン格子を応用した地球ダイナモおよびマントル対流シミュレーションのコードを開発し、インヤン格子手法を地球科学に応用した。
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Research Products
(7 results)