2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540404
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
陰山 聡 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球シミュレータセンター, グループリーダー (20260052)
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Keywords | インヤン格子 / 地球ダイナモ / 地磁気 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、インヤン格子を主に地球ダイナモシミュレーションに応用した。このコードは、地球の外核を想定した球殼形状の領域における電気伝導性流体の熱対流運動を数値的に解くものである。完成したコードを地球シミュレータで走らせ、その512ノード(4096プロセッサ)を用いる大規模な地球ダイナモシミュレーションを実行した。その結果を解析したところ、低いエクマン数領域の下で新しい種類の流れと磁場構造が見られた。流れ場は薄いシート状の対流プルームの集合として組織化され、そのシート状の流れによって強い磁場が生成される。その磁場はこれまでに観察されたことにない特徴的なフラックスチューブ構造の集合として組織化されている。このような発見ができたのは、インヤン格子の採用により、高い並列化性能と高速計算が可能となり、従来のダイナモシミュレーション手法では不可能であったほどの高解像度ダイナモシミュレーションが可能となったためである。そのために低い粘性率(エクマン数)の下でのダイナモ現象を計算することができるようになった。また、昨年度に引き続き、インヤン格子手法をデータの可視化に応用する研究も行なった。また、インヤン格子手法をさらに発展させ、地球の内核をカーテシアン格子で解きながら、外核はインヤン格子手法で解く新しい計算コードの開発も行った。これはインヤン格子がその基本数値手法として採用しているキメラ格子法を応用したものである。さらに、インヤン格子手法を広く世界中に普及させるために、依頼のあった研究グループにインヤン格子の基本コードを提供した。
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