2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540404
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
陰山 聡 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球シミユレータセンター, グループリーダー (20260052)
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Keywords | インヤン格子 / 地球ダイナモ / 地磁気 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の三つである:(1)インヤン格子を応用した地球ダイナモシミュレーションにより、地球ダイナモの新しい領域を見いだしたこと。(2)インヤン格子上で定義された球ジオメトリデータをインヤン格子状で直接レイキャストアルゴリズムで可視化するソフトウェアが完成したこと。(3)インヤン格子にACuTE法を組み合わせた新しい球殻マントル対流シミュレーションコードが完成したこと。このうち(1)の地球ダイナモシミュレーションの成果は、インヤン格子の高い並列化性能を生かし、地球シミュレータの512ノート(4096プロセッサ)を使った大規模な並列計算の成果である。総格子点数約8億の高解像度ダイナモシミュレーションにより、これまで未開拓だった低粘性領域(低エクマン数領域)における地球ダイナモシミュレーションに成功した。その結果を解析したところ、対流の構造は従来考えられていた円柱状の対流胞の集合ではなく、細長いシート状のプルーム構造の集合として組織化されていることがわかった。このシート状プルーム対流は非常に強いダイナモ効果を持ち、磁場のエネルギーは対流の運動エネルギーの数倍以上に達する。磁場の生成メカニズムもこれまで考えられていたものとは全く異なり、上昇するプルームが磁力線をまっすぐに引き延ばすときに磁場のエネルギーが生成されることがわかった。エクマン数が10のマイナス7乗程度以下の高速回転系の磁気流体ダイナモは、エクマン数がそれ以上の系におけるダイナモとは定性的に異なることがこの研究で明らかになった。以上の成果はNature誌で発表された。
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Research Products
(11 results)