2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540414
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小賀 百樹 琉球大学, 理学部, 助教授 (50153515)
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Keywords | 東シナ海 / ケーブル観測 / フェリー観測 / 黒潮変動 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った.(1)沖縄-台湾間,沖縄-ルソン間の海底ケーブルを利用した地電位差観測を継続した.沖縄-台湾間の地電位差データは問題なく取れている.沖縄-ルソン間の地電位差データは,2003年末の台湾沖海底地震以降,異常値が続いていたが,2006年秋ころより電圧レベルに回復の傾向がみられる.(2)沖縄を起点とする名古屋-大阪-沖縄-台湾を結ぶ定期フェリーを利用した海上気象観測(気温・湿度・風速・風向・日射・海面水温)を継続した.(3)沖縄-台湾間のケーブル電圧の変動には,黒潮の流録変動以外に現場の表層エクマン吹送流の影響が推察される.吹送流の影響を評価するため,本研究海域に設置されているパヤオ表層ブイによる海上風と表層流の観測資料をもとに,海上風と表層流の対応関係を調べた.線型吹送流応答モデル(鉛直一次元表層スラブモデル)を作成し,モデルにおける流れの偏角,摩擦のパラメータを観測値より決定した. 来年度(最終年度)は,海底ケーブル電圧の解析を主として,黒潮流入口海域での黒潮変動の解析を進める.その際に,今年度の吹送流モデルの結果を用いケーブル電圧変動における吹送流の影響を評価する.さらに,ケーブル電圧時系列データが1時間から数年におよぶ広い周波数帯をカバーする利点を生かし,ケーブルを横断する黒潮流量変動の周波数解析を進める.なお,この解析に,衛星およびフェリー水温データ,衛星海面高度データ,島の潮位差データを組合せる.
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