2006 Fiscal Year Annual Research Report
石英の産状に注目した,高温・超高温変成岩と部分融解現象に関する研究
Project/Area Number |
17540432
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
志村 俊昭 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (70242451)
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Keywords | 石英 / 花崗岩 / 変成岩 / カソードルミネッセンス / REE / 部分融解 / CHIME / EPMA |
Research Abstract |
砂泥質変成岩の相平衡解析において,SiO_2は過剰成分とされ,石英の増減は無視されている.しかし,花商岩質マグマの発生を考える場合,岩石中のSiO_2含有量の増減を無視する事は出来ない.さらに超高温変成岩においては「スピネル+石英」・「サフィリン+石英」・「コランダム+石英」のように,石英と共生するか否かで意味が異なる鉱物組合せがあり,この点でも石英の産状の重要性は大きい. 一方,天然のミグマタイトの優白部はcumulateである事が多いので,その全岩化学組成はメルトの組成とは一致しない.これに対しジルコン・モナザイト・褐簾石・燐灰石などは,REEを濃集しやすい鉱物なので,EPMAで定量可能な濃度に達している事も少なくない.鉱物/メルトのREEの分配係数には,SiO_2の含有量と相関があるものもある.これらの鉱物のREEの組成累帯構造が解れば,シリカ飽和度の変化を連続的に追跡できる可能性があり,メルトの組成変化を追跡できる.この解析とCHIME年代決定法を結びつければ,変成岩からメルトが離脱した時期の年代を正確に求める事が出来ると期待される. 初年度である2005年度は、カソードルミネッセンス(CL)検出器の設置と調整、CL像を利用した記載岩石学の見直し、REEを濃集する鉱物についての,EPMAでのREEの定量ルーチンの作成準備を行った. これに引き続き、2006年度は、CL像を利用してジルコン・石英・長石の累帯構造の解析を行った。その結果、日高変成帯の火成岩類・変成岩類に2回の熱イベントがあることが明らかとなった。主要な成果は7月の国際鉱物学連合および9月の日本地質学会で発表し、国際誌に投稿中である。EP漁でのREEの定量ルーチンは、まだ作業継続中であるが、今年度の予算で必要な標準試料が全てそろい、来年度前半にはルーチンをほぼ仕上げる予定である。
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Research Products
(4 results)