2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本海東縁変動帯と本州中部・富山トラフの交差構造と重複テクトニクス
Project/Area Number |
17540434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 章 富山大学, 理学部, 教授 (20126494)
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Keywords | 富山トラフ / 日本海東縁 / 交差構造 / 地震災害 / 海底活断層 / 中越地震 / 津波 / 直下型地震 |
Research Abstract |
今年度は、主としてつぎの4項目で調査研究を行った。 1.富山平野では、の地表通過位置と地下形状の解明を目的に、トレース位置に異見が多い呉羽山断層について、重錐落下の人工震源を用いた24チャンネルの反射法地震探査を実施した。データの粗解析によれば、沖積平野の地下に伏在する同断層中部の所在位置が明らかになった。海域延長部についてもエアガンによる音波探査のデータを解析し、陸域と海域で断層の地下形状が同じ断層規制褶曲を伴うことを確認した。さらに、本研究で購入したコンプレッサーをエアシンカー(削岩機)等に接続して簡易な音源システムを構成する実験を行った。 2.黒部川扇状地と北アルプスの境界にあたる泊地区で、黒菱山断層・棚山断層の調査を行った。これら富山平野東縁の南北性断層については、更新世中期にすでに北アルプスの隆起活動の沈静化とともに活動を停止していた可能性が高い。 3.富山トラフにおいては、産総合研活断層センターの研究員と共同で、海洋研究開発機構の調査船「なつしま」NT05-10航海により、富山湾および糸魚川沖-直江津沖、佐渡南西沖などで精密海底地形調査を行い、NE-SWと南北の2方向の活断層による変動地形の分布を検討した。さらに同調査船搭載の無人探査機「ハイパードルフィン」の潜航調査により、活動履歴を検出する目的で海底活断層の低崖で観察と採泥を行った。地震による崖の崩壊にメタンハイドレートが関与している可能性が認められた。 4.中越地震の震源断層については、余震域の西に隣接する小国地域における余効変動の検出を目的としたGPS測地観測を現在も継続中である。これまで得られているデータを利用した数値実験では、小国地域周辺の中部地殻にほぼ水平なデタッチメントが想定される。西頚城山地や北アルプスがなぜ海域に延長しないかが、交差構造との関係で重要であろう。
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Research Products
(4 results)