2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本海東縁変動帯と本州中部・富山トラフの交差構造と重複テクトニクス
Project/Area Number |
17540434
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 章 University of Toyama, 大学院・理工学研究部, 教授 (20126494)
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Keywords | 地殻変動 / GPS測地測量 / 反転テクトニクス / 富山トラフ / 活摺曲帯 / ひずみ集中帯 / 能登半島地震 / 中越沖地震 |
Research Abstract |
2007年、研究対象地域内では2回の地殻内地震(能登半島地震と新潟県中越沖地震)が発生した。 このため、主として、それぞれの震源地および周辺の被災地域において、地表地震断層の探索と地盤変状調査をはじめとする地震地質調査と、汀線指標生物による海岸線の上下変動、GPS精密測地測量による余効変動観測を行った。この結果、地震の連動について次の知見を得た。(1) 本州でも東西短縮傾向が顕著である。GPSによる測地学的監視観測を継続して実施しているが,2004年新潟県中越地震の余効変動観測を目的に設置した長岡市小国地点において、データに不審な挙動が続いていたため、2007年中越沖地震が発生し、良質で貴重なデータが得られた。同一の活褶曲帯を上盤に持っスラスト/バックスラスト構造の連鎖応答モデルが成立する可能性があり、北陸と中越地域の両地域で力学的に密接な関係が示唆される。(2) 富山トラフを境にして隣接する能登地区と中越地区は、地震発生層の地質構造に日本列島と日本海の生い立ちに遡る共通点がある。中越地域に展開された数箇所のGPS測地データに見られる時系列に、能登半島地震発生時にオンセットされた前兆的動きが検出された。活褶曲帯の変位を促進する傾向であったことから、能登半島地震の震源断層における地震時の大きなすべり変位によって周辺地域に応力集中が生じ、中越沖地震を誘発したとの解釈が得られた。新潟-神戸帯と糸静線が交差する北フォッサマグナ・富山トラフから能登半島にいたる地区では、物理探査データを精密に再解析することにより、鮮新世のテクトニックインバージョンの有無による区域性、背弧短縮変動の加速、山脈と深海長谷の同時形成などが明らかになった。今後は、地体構造の発達史モデルを考案し、地震発生ポテンシャルを評価する。
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Research Products
(4 results)