2005 Fiscal Year Annual Research Report
北中国地塊における中生代火成活動の元素・Nd-Sr-Pb同位体地球化学
Project/Area Number |
17540461
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
荒川 洋二 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00192469)
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Keywords | 北中国地塊 / 中生代火成岩類 / 化学組成 / Sr-Nd-Pb同位体組成 / アルカリ火成岩 / 地殻-マントル構造 / 地球化学 |
Research Abstract |
今年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1.北中国地塊北東部に位置するShandong半島周辺域の中生代火成岩類の分布や地質調査結果(前年度実施)のまとめと、問題点の列挙。この地域の火成岩類の多くは,過去に実施された年代測定結果から、白亜紀後期に形成されたものであることがわかった。 2.上記中生代火成岩類(花崗岩類と火山岩類)(採取済み試料)の肉眼観察と、偏光顕微鏡による造岩鉱物の詳細な観察の実施。この観察結果で、多くの火成岩類は、アルカリ岩系列に区分できることが明かになった。 3.一部の試料の蛍光X線分析装置による全岩化学組成(主要元素・微量元素組成)の測定(埼玉大学と北京大学の装置を利用)。主要元素組成からは,深成岩類の多くは、モンゾナイト、ショショナイトに分類され,一部アルカリはんれい岩が含まれることが明らかとなった。微量元素組成の結果からは,一部の岩体(Xishu、Wu'an)が液相濃集元素にやや富んだ傾向を示した。またREE(希土類元素)パターンからは、正のEu異常が示された。 4.一部の試料について、Sr,Nd同位体組成の測定を行った。測定は筑波大学のFinnigan MAT262固体質料分析計を利用した。上記Sr,Nd同位体組成は,EM-1タイプのマントルと下部地殻との中間の値を示した。このことは、マントル由来のマグマと下部地殻との混合を示唆している。 5.また、比較のために北西中国の西ジュンガル帯の花崗岩類の元素組成やSr-Nd同位体組成も測定を行った。 6.問題点としては、各火成岩体の絶対年代の測定と,火成岩の種類の空間分布をより詳細に明らかにする必要がある。また議論を明瞭にするために,残りの試料の各種分析が必要不可欠である。
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