2007 Fiscal Year Annual Research Report
含水鉱物-水和錯体-水蒸気系における水分子の同位体分別
Project/Area Number |
17540463
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
垣内 正久 Gakushuin University, 理学部, 助教 (60146321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲山 英之 学習院大学, 理学部, 助教 (00155889)
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Keywords | 同位体分別係数 / 水素同位体 / 酸素同位体 / 含水鉱物 / 結晶水和物 / 水和錯体 / ラマンスペクトル / 換算分配関数比 |
Research Abstract |
本研究の目的である水分子の同位体分別係数を求めるための一番簡便な水分子の水素および酸素同位体比測定法は、それぞれ水素ガスおよび二酸化炭素を同位体交換平衡に到達させて間接的に測定するという方法である。それには数グラムの水が必要となるが、真空ラインが不要で、直接質量分析計に平衡後の水素および二酸化炭素を導入して測定するだけで求められる。この手法を用いて、これまでに塩化物含水鉱物の水素同位体分別係数を数多く求めた。 一方近年、少量のmg以下の軽元素同位体比を測定する質量分析計として、Isoprimeが開発された。このIsoPrimeの前処理装置として元素分析装置を用いて無酸素状態で1mg以下の無機化合物を熱分解によって完全にガス化させ、ガス化して生じた酸素はグラファイトと完全に化合させ一酸化炭素の形とし、ガスクロカラムを通して他のガスと分離させ、その酸素同位体比として分析した。酸素同位体比は一酸化炭素の質量ピークの28,29,30を三つのファラデーカップで同時に測定した。これまでの成果として、この手法を用いて炭酸塩および硫酸塩、塩化物および硫酸塩の結晶水和物の酸素同位体比が1〜2‰程度の誤差で測定ができ、SMOWスケールにも対応可能となった。本年度の成果として、硫酸マグネシウムの結晶水和物の結晶水は溶媒の水より水素同位体比は低く、酸素同位体比は高くなった。残念ながらMgSO_47H_2OおよびMgSO_46H_20の結晶水の同位体比には、有意な差がみられなかった。 また、3種類(H_2^<16>0、D2^<16>0およびH^2^<18>0)の端成分の水に塩化銅を溶解し、H_2^<16>0、D_2^<16>0およびH_2^<18>0の端成分の結晶水和物の単結晶を晶出させ、それらのラマンスペクトルを測定した。得られた振動数に基づいて、現在統計力学的計算手法を用いて塩化銅二水塩-水蒸気間の水素および酸素同位体分別係数を計算中である。
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Research Products
(3 results)