2006 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロカーボンプラズマ下流での気相分子成長とその応用
Project/Area Number |
17540471
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古屋 謙治 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助教授 (70229128)
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Keywords | フルオロカーボン / プラズマ / 質量分析 / 気相成長 / 反応機構 / 薄膜 |
Research Abstract |
これまでAr/パーフルオロカーボン混合ガスプラズマ下流で得られている実験結果を元に、今年度は以下の研究を推進した。 (1)Ar/CF_4プラズマ下流で観測された種々の陽イオンの反応ダイナミクスの解明 (2)Ar/CF_4/O_2混合ガスプラズマ下流で観測された陽イオンと中性分子の成長機構解明 (3)各種パーフルオロカーボンプラズマやメタンプラズマ下流における陽イオンと中性分子の観測 上記(1)においては、-CF_2^+末端を有するC_nF_<2n+1>^+イオンにCF_2ラジカルが付加する場合、CF_2ラジカルは双極子モーメントを有しておりF側がδ-であるため、遠距離ではCF_2ラジカルのF側よりC_nF_<2n+1>^+イオンの-CF_2^+末端に接近するが、最終的には-CF_2^+末端とCF_2ラジカル間にC-C結合を生じなければならない。よって、CF_2ラジカルの向きが-CF_2^+末端に接近する途中で入れ替わらなければならず、それによる反応障壁の存在がこの付加反応を阻害することが懸念された。そこで、遷移状態と反応固有座標の計算を行い、CF_2ラジカルの向きの反転に伴う反応障壁の大きさはわずか0.07eVであり、分離したC_nF_<2n+1>^+イオンとCF_2ラジカルよりもエネルギー的に低いため、実質的には反応障壁が存在しないことを明らかにし、昨年度発表したC_nF_<2n+1>^+イオンの成長機構に問題が無いことを裏付けた。 (2)では、観測されたC, F, Oを含む陽イオンはC_nF_<2n+1>O^+(n=2,3)とC_nF_<2n-1>O^+(2【less than or equal】n【less than or equal】7)だけであったことと、O_2添加量に伴うこれらイオンの強度変化を考慮し、様々な反応機構を考えながら量子化学計算を行った結果、次の生成機構であることが判明した。すなわち、C_nF_<2n+1>O^+は、C_nF_<2n+1>^+イオンにCOが付着することによって生成する。また、C_nF_<2n+1>O^+は、C_nF_<2+1>^+(n=1,2)とCOF_2との錯合体形成(化学結合ではない)によって生成する。 (3)では、C_2F_6、C_3F_8、C_4F_6、c-C_4F_8、CH_4について実験を完了し、様々なデータを得た。
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Research Products
(3 results)