2007 Fiscal Year Annual Research Report
多次元高エネルギー粒子計測によるヘリカルプラズマのスペクトルの空間構造の研究
Project/Area Number |
17540475
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
尾崎 哲 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (50183033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成原 一途 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (90109356)
須藤 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50142302)
田村 直樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (80390631)
村上 定義 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40249967)
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Keywords | ロスコーン / ARMS / 高エネルギー粒子 / 磁気軸依存性 / 電場 / ICH / 荷電交換粒子 / NBI |
Research Abstract |
ヘリカルプラズマはトカマクに比べて安定性の面で極めて優れた特徴を持つ半面、ピッチ角を持った粒子の一部が軌道損失(ロスコーン)をする欠点がある。大型ヘリカル装置(LHD)ではこれを低減する様々な工夫がなされているが、ロスコーンについてこれまで実験的には十分には検証されてこなかった。我々はこの目的のため、(低エネルギーの粒子も観測できる)X線用多チャンネル検出器をイオン計測に応用すること、及び集積度の高いプリアンプを開発することにより空間分解能、小型化の点ですぐれた角度分解型多視線中性粒子検出器(ARMS)を開発した。この検出器はピッチ角40から85度まで20チャンネルの空間分解能、15keV以上1MeVまでを測定できる。ノイズ低減のため検出部は液体窒素にて冷却されている。時間分解能は5msに設定したPHAにより、スペクトルの時間変化を観測している。20チャンネル空間分解能を確保することにより、荷電交換粒子のピッチ角分布を視覚的に得られるようになり、ロスコーンの様相をさまざまなプラズマにおいて比較しやすくなることが期待される。ARMSはAm241のγ線により源正を行った後、LHDプラズマ実験で測定を行った。垂直入射のNBI印加することにより、捕捉粒子の閉じ込めの様子を明確に比較できる。異なる磁気軸でのエネルギースペクトルを測定したところ磁気軸を外寄せにした場合は内寄せに比べて、閉じ込めが明らかに改善されロスコーンが低減していることがわかった。外寄せにした場合、ロスコーンでの損失が大きくピッチ角散乱する前に粒子が散逸するため全角度に亘って観測される粒子は減っている。これは内寄せにすることにより磁気面と粒子軌道面が近接するためであり、理論から予測される結果と一致することを確認した。また85度付近に観測されるロスコーンは強力なECHを用いてプラズマ中心を加熱することにより消滅し、捕捉粒子の閉じ込めが改善されることがわかった。同じ条件のプラズマにおいて、HIBPで電場を測定したところ正の径電場が形成されており、電場の形成により捕捉粒子の閉じ込めが改善されたことを示している。
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Research Products
(6 results)