2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光の酸素消光および一重項酸素の消光における溶媒篭効果の研究
Project/Area Number |
17550010
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 政實 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90115981)
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Keywords | 溶媒籠効果 / 圧力効果 / 温度効果 / 蛍光の酸素消光 / 三重項の酸素消光 / 三重項-三重項消光 / 超臨界流体 / 動径分布関数 |
Research Abstract |
1.平成17年度の実績:(1)n-アルカン(C_2〜C_7)およびメチルシクロヘキサン中で9,10-ジメチルアントラセン(DMEA)の蛍光の酸素消光を行い,消光速度定数に対する温度効果と圧力効果から,溶媒"籠"中での二分子消光速度定数k_<bim>^<00>と拡散の速度定数k_<diff>を求め消光機構を考察した(M.Okamoto, F.Tanaka JPC投稿準備中).(2)気相中および高温高圧下,プロパン中でのDMEAの蛍光寿命の測定および蛍光の酸素消光を行った。気相中の消光速度定数は約1.1x10^<11>M^<-1>s^<-1>であり,温度依存性はほとんど無かった.高温高圧下での実験は,新規に製作した3方サファイア窓付高圧容器を用いた(巽,岡本:第46回高圧討論会).凝縮系および気相中での酸素消光の結果から,蛍光の酸素消光における溶媒"籠"効果を考察した. 2.関連する研究成果:(1)液体および超臨界二酸化炭素とエタン中で9-アセチルアントラセン三重項(^3ACA^*)の三重項-三重項消光と酸素消光を行い,消光速度定数に及ぼす圧力効果,温度効果,溶媒効果から,拡散過程の寄与および溶媒"籠"効果を含めて消光機構を考察した(M.Okamoto, K.Nishimori and S.Taniyama ; XXII IPC国際会議(Cairns)).(2)超臨界二酸化炭素中でベンゾフェノン三重項(^3BZP^*/nπ^*)の酸素消光速度定数を温度と圧力の関数として測定し,^3ACA^*/ππ^*の結果と比較した。活性化エネルギーと活性化体積は,^3BZP^*については負の値を,一方,^3ACA^*については正の値をもつ.酸素消光に及ぼす電子状態の相違を考察した(米倉,岡本:第86日化春季年会). 3.次年度に向けての準備状況:液体プロパン,液体および超臨界エタン中で,ACAを増感剤として一重項酸素の寿命を温度と圧力を関数として測定した.温度一定下での寿命の圧力依存性は,剛体球を仮定した溶質と溶媒分子間の動径分布関数を用いて合理的に説明できた(未発表).
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