2005 Fiscal Year Annual Research Report
(S)-ホモプロリンを有機触媒として用いる不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
17550028
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
折山 剛 茨城大学, 理学部, 教授 (90185687)
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Keywords | (S)-ホモプロリン / 有機触媒 / 不斉マイケル付加反応 |
Research Abstract |
研究代表者は、分子量わずか200程度のキラル1,2-ジアミンが種々のアルコール触媒的不斉アシル化において、従来達成できなかった高いエナンチオ選択性を発現する極めて優れた有機触媒であることを最近の一連の研究で明らかにしてきた。本研究では、これまでの1,2-ジアミンを有機触媒として用いるアルコール類の触媒的不斉アシル化で得られた様々な知見をベースとして、(S)-ホモプロリンを有機触媒として用いる新しい不斉合成反応の開発をめざした。その結果、(S)-プロリンから出発して(S)-ホモプロリンを効率よく大量に合成するルートを確立した。(S)-ホモプロリン有機触媒として用いて、ジエチルケトンをモデル化合物としてβ-ニトロスチレンに対する不斉マイケル付加の検討を詳細に行った。(S)-ホモプロリン20mol%、塩基としてN-メチルモルホリン20mol%の存在下、溶媒としてt-ブチルアルコールを用いて反応を行うと、対応するマイケル付加生成物が高ジアステレオ選択的かつ高エナンチオ選択的に得られることを見出した。特に、ジエチルケトンとβ-ニトロスチレンとの不斉マイケル付加反応において、これまで報告されている反応例では最高の94%eeの光学収率で対応するマイケル付加体を得ることに成功した。次に、シクロヘキサンをマイケル供与体として、種々のβ-ニトロスチレン誘導体に対する不斉マイケル付加反応を試みた。その結果、対応するマイケル付加体が高収率、高ジアステレオ選択的かつ高エナンチオ選択的に得られた。現在、(S)-ホモプロリンを有機触媒として用いる不斉マンニッヒ型反応への展開を図っている。
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Research Products
(1 results)