2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550038
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河内 敦 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70260619)
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Keywords | 典型元素 / 複核錯体 / アート錯体 / 高配位化合物 |
Research Abstract |
これまでにわれわれは,o-ブロモ(フルオロジメチルシリル)ベンゼン(1)にEt_2O中,-78℃で1モル量のtert-BuLiを作用させると,選択的に臭素-リチウム交換反応が進行し,o-(フルオロジメチルシリル)フェニルリチウム(2)が生成することを見出している。本研究では,o-ブロモ(フルオロジフェニルシリル)ベンゼン(3)についても,同様の条件下でo-(フルオロジフェニルシリル)フェニルリチウム(4)が生成することを見出した。 ジフェニルシリル体3にEt_2O中,-78℃で1モル量のtert-BuLiを作用させるとフェニルリチウム4が生成した。4にクロロジメチルシランを反応させることで,o-(フルオロジフェニルシリル)(ジメチルシリル)ベンゼン(5)を収率74%で得た。また,-80℃において,4の^<29>Si,^<19>F,および^7Li NMRを観測することができた。また,4とフルオロジメシチルボランとを反応させることで,o-(フルオロジフェニルシリル)(ジメシチルボリル)ベンゼン(6)を収率73%で得ることができた。6にトルエン中,室温でKF/[2.2.2]cryptandを作用させるとフルオロボレート7が収率60%で生成した。7の^<29>Si NMR(δ=-32.6ppm)が,前駆体6のそれ(δ=-2.5ppm)から約30ppm高磁場シフトしたこと,および^<19>F VT-NMRにより2つのフッ素原子の交換が観測されたことから,[B-F…Si]架橋構造によるケイ素原子の高配位化が示された。さらに,X線結晶構造解析によって7の構造を明らかにすることができた。ホウ素原子上のフッ素原子とケイ素原子との距離は2.266Åであり,ケイ素原子と3つの炭素原子とが作る結合角の和が354°であることから,ケイ素原子まわりは三方両錘構造をとっていることがわかった。
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Research Products
(3 results)