2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリックス構造をもつフォトクロミックなジアリールエテンの創出
Project/Area Number |
17550047
|
Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
横山 弥生 東京家政学院大学, 家政学部, 教授 (70142263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 泰 国立大学法人横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60134897)
|
Keywords | ジアリールエテン / 光学活性 / ビナフトール / フォトクロミズム / へリックス / 旋光度 / 量子収率 |
Research Abstract |
本年度の「ヘリックス構造をもつフォトクロミックなジアリールエテンの創出」成果は、以下の通りである。 光学活性ジアリールエテンの合成 (R)-2,2-ビス(ジフェニルポスフィノキシ)-5-ヨード-1,1'-ビナフトールを用いて,ジアリールエテンユニット(D)の両末端(二つのベンゾチオフェン環の6位)に,光学活性化合物である(R)-BINAPOを導入することにより,(R)-BINAPO(B)に挟まれたジアリールエテンBINAP誘導体(B-D-B)を合成した。 光学活性ジアリールエテン(B-D-B)の光化学的性質 光学活性ジアリールエテン(B-D-B)は,クロロホルム溶液中,紫外光(313nm),可視光(506nm)の交互照射により可逆的に変化するフォトクロミズム特性を示すことがわかった。また,313nm光照射時の光定常状態での変換率は83%になり,(R)-BINAPOがないジアリールエテンの変換率(40%)より大幅に向上した。変換率向上の主な理由は,313nm光照射時の量子収率は,B-D-Bの値(0.66)が,(R)-BINAPOがないジアリールエテンの値(0.17)より大きいからである。B-D-Bのクロロホルム溶液中における開環体と313nm光照射における定常状態との間で,実測旋光度が0.01093 degree,比旋光度が61.6 degree変化することがわかった。このとき,開環体は,(R)-BINAPOの旋光度を打ち消す効果があり,閉環体は,(R)-BINAPOの旋光度を大きくする効果があることがわかった。
|
Research Products
(1 results)