2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱力学的特性の解析による逆相液体クロマトグラフィー系の分離挙動解析理論の開発
Project/Area Number |
17550075
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮部 寛志 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (10281015)
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Keywords | 逆相液体クロマトグラフィー / 保持平衡 / 表面拡散 / エンタルピー-エントロピー補償 / 直線自由エネルギー関係 / 熱力学的特性 / 物質移動 |
Research Abstract |
1.アルキル鎖の修飾条件(C_1基およびC_<18>基の修飾率)を変化させた表面修飾シリカゲル(炭素含有量:5.0〜17.1wt%)を固定相、メタノール/水(70/30,v/v)混合溶液を移動相として使用する逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)系におけるアルキルベンゼン誘導体(試料物質)の主に表面拡散に関する熱力学的特性および、それに関連するエンタルピー-エントロピー補償関係や直線自由エネルギー関係の解析に関する基礎的研究を行った。 その結果、次のような研究結果を得た。 (1)Krugらが提案している解析法を適用して表面拡散係数の温度依存性を解析し、RPLC系の表面拡散についてエンタルピー-エントロピー補償関係が実質的に(実験データの測定誤差による見かけ上の直線関係ではなく)存在することを確認した。 (2)カラム温度、固定相表面修飾条件、試料物質が異なる様々なRPLC系の表面拡散係数を、2個の実測値から推算する方法を開発した。表面拡散の計算値を実測値と比較した結果、両者は相対誤差50%以内で一致した。表面拡散現象に対する各種実験条件の影響を熱力学的観点から解析し、その挙動を熱力学的理論に基づき定量的に取扱うことができるようになった。 2.本研究では、クロマトグラフィーにおいて観測されるピーク(パルス応答曲線)の形状上の特徴をモーメント解析して表面拡散係数を求めている。しかし、このパルス応答-モーメント解析法には実用上いくつかの欠点がある。そこでこれらの欠点を克服し、より正確な表面拡散係数の値を簡便かつ精度良く測定できる方法について検討した。新規測定法の候補として、Peak-parking法およびSlow-elution法について検討した結果、表面拡散係数測定法としてPeak-parking法が有用であることを確認した。
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Research Products
(4 results)