2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱力学的特性の解析による逆相液体クロマトグラフィー系の分離挙動解析理論の開発
Project/Area Number |
17550075
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮部 寛志 University of Toyama, 理工学研究部, 教授 (10281015)
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Keywords | 逆相液体クロマトグラフィー / 保持平衡 / 表面拡散 / エンタルピー-エントロピー補償 / 直線自由エネルギー関係 / 熱力学的特性 / 物質移動 |
Research Abstract |
1.アルキル基の表面修飾条件を変化させたシリカゲルを固定相、メタノール/水混合溶液を移動相として使用する逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)系において、パルス応答法-モーメント解析法やピークパーキング法により測定した表面拡散係数を、速度論的および熱力学的観点からより詳細に解析し、その推算法を開発した。(1)表面拡散現象に対する各種実験条件の影響を解析し、その挙動を定量的かつ統一的に解釈できるモデルを構築した。(2)このモデルを利用して表面拡散に対する保持平衡の影響を速度論的および熱力学的観点から解析し、表面拡散係数の推算法を考案した。(3)保持平衡定数や保持に伴うエンタルピー変化量から表面拡散係数を推算した結果、相対誤差約30%以内で表面拡散係数を推算できた。表面拡散のエンタルピー-エントロピー補償関係や直線自由エネルギー関係に基づく推算法よりも表面拡散係数のより正確な推算ができるようになった。 2.表面拡散現象を解析する上で、パルス応答法-モーメント解析法は有用な方法の一つである。そこで本研究では、各種分離材を形状(球状、円柱状および平板状)と多孔性(全多孔性、部分多孔性および非多孔性)の観点から系統的に分類し、これら9種類の分離材充填カラムのクロマトグラフィー分離挙動を平衡論的および速度論的観点から解析するためのモーメント式を導出した。これらを利用して、いくつかの分離材の分離特性を数値計算により解析した。全多孔性球状粒子を含む様々な分離材の分離挙動をより詳細かつ定量的に解析することが可能になる。
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