2005 Fiscal Year Annual Research Report
プローブ光の偏向を利用する単一細胞の無損傷、非侵襲的な生死判定法の開発
Project/Area Number |
17550076
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
呉 行正 福井大学, 工学部, 助教授 (70234961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 聡 福井大学, 工学部, 助教授 (60311685)
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Keywords | 単一細胞 / 生死判定 / ビーム偏向 / 輸送物質 / キャピラリー電気泳動 |
Research Abstract |
(1)プローブ光の偏向を利用する単一細胞の無損傷、非侵襲的な生死判定法の確立 自作したビーム偏向測定系により、ヒト由来肝細胞株HepG2(継代培養法により、培養液10%FBS.DMEMで培養)の生存率を測定したところ、従来の染色法と近い結果を得た。また、本法により、培養したヒト由来肝細胞株HepG2の死亡過程での物質輸送に起因する濃度勾配の変化を連続的にモニタリングした。生きているヒト由来肝細胞株HepG2及び死んでいるヒト由来肝細胞株HepG2の偏向信号を比較したところ、明らかに生きている細胞の方が偏向信号の変化が観察されて、死んでいる細胞には偏向信号の変化が小さかったことを明らかにした。 (2)細胞に対する化学物質の毒性判定 生きているヒト由来肝細胞株HepG2は大きいな偏向信号を示すが、一定濃度の過酸化水素を添加すると、変化していた偏向信号は変化しなくなることを明らかにした。即ち、過酸化水素の添加により、生きていた細胞は死滅になり、その濃度の過酸化水素が毒性を示すことを意味する。本法による過酸化水素の毒性判定は従来の培養法判定とほぼ一致した結果になった。 (3)細胞に対する紫外線の影響 本法により、ヒト由来肝細胞株HepG2に対する紫外可視光の影響を調べたところ、330〜370nmの紫外線が殺傷力を示すことを明らかにした。 (4)細胞近傍の組成分析を目指す前処理を必要としないキャピラリー電気泳動分析法の開発 キャピラリー電気泳動分析法は必要とする試料量がナノリットルなので、単一細胞・組織の近傍の組成分析に使えると考えられる。本研究では、キャピラリーに局所的に分離膜を導入することにより、ろ過などの前処理を必要としないキャピラリー電気泳動分析法を開発し、細胞培養液の分析に応用した。
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Research Products
(7 results)