2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属・半導体材料表面薄膜の化学的評価法の開発と表面分析用薄膜標準物質作製への展開
Project/Area Number |
17550086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 龍彦 東京理科大学, 工学部, 教授 (40084389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 英男 東京理科大学, 工学部, 助手 (10385536)
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Keywords | 解析・評価 / 亜鉛めっき鋼板 / シリコンウエハ / 薄膜標準物質 / 化学分析 |
Research Abstract |
1.電量滴定法による亜鉛の定量 鋼板上の亜鉛めっき薄膜の膜厚を絶対評価する方法として電量滴定法の応用を試みた。具体的には,亜鉛イオンを一定過剰量の純度既知EDTA試薬と反応させ,未反応のEDTAを亜鉛アマルガム陽極から定電流溶出させた亜鉛イオンで逆滴定して亜鉛を定量する手法を用いる。まず,高い均一度を持ったEDTAの調製法を検討したところ,恒湿デシケーター中にかき混ぜながら長期間保存した試薬は,高精度電量滴定に十分利用できる均一性の高い純度を有することを確認した。このEDTA試薬を用いて亜鉛の精密走量法が確立できた。また,鋼板試料への適用を考え,マトリックス鉄の分離方法についても検討を開始した。 2.ストリッピングボルタンメトリー(SV)による亜鉛定量条件の最適化 亜鉛めっき鋼板試料は全溶解するので,鉄マトリックス共存下で微量亜鉛を直接定量できる高感度SVの開発を試みた。亜鉛のSV定量において,鉄(II)の妨害は鉄(III)よりも小さかったので,鉄(III)の還元剤について検討した。その結果,還元剤にはL(+)-アスコルビン酸が適していた。還元及びSV測定の条件を最適化したところ,10μm程度の亜鉛めっき膜厚が測定できる見通しが得られた。 3.ケイ素のSV測定に影響するフッ化物イオンの検討 β-シリコ十二モリブデン酸として電極上に吸着濃縮してSV測定するケイ素の定量では,SiO_2薄膜試料の溶解に用いたフッ化物イオンが定量に妨害するが,アルミニウム(III)を添加することで妨害を抑制できることを明らかにした。また,最適実験条件の探索を行い,高感度,高精度測定の可能性が得られた。
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