2005 Fiscal Year Annual Research Report
高感度「マイクロ免疫分析システム」の開発と腫瘍マーカー定量への応用
Project/Area Number |
17550088
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 工学部, 教授 (60227361)
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Keywords | マイクロ分析 / 免疫分析 / 腫瘍マーカー / 化学発光 / 電気泳動 |
Research Abstract |
化学発光(CL)検出法は、高感度検出を目的としてHPLC、液体クロマトグラフィー、イムノアッセイなどにも適用されている。バックグラウンドが低いために、CL検出は優れた検出感度を与えることが期待される。過シュウ酸エステルCL検出は、CL反応を用いて蛍光物質を励起し、生じた光を測定する。そのため蛍光検出において幅広く研究されている蛍光標識剤を使用することができ、目的成分の検出において適用範囲が広いCLである。また近年、マイクロ化学分析システム(μ-TAS)を用いた研究が盛んに行われている。μ-TASには、早い分析時間、試料の節約、小型化、自動化といった利点がある。しかし、多くのμ-TASは検出にレーザー励起蛍光法などを用いているため、マイクロチップ自体は小型であるが、全体としては比較的大掛かりな装置になってしまう。本研究では、マイクロチップ上で、抗体固定化ガラスビーズを用いて行う抗原抗体反応と過シュウ酸エステルCL検出とを組み合わせることにより、高感度「マイクロ免疫分析システム」を開発し、血清中の特定成分の定量を行った。まず、免疫反応のモデルとしてヒト血清アルブミン(HSA)と抗ヒト血清アルブミン(anti-HSA)を用いた。HSAをフルオレセインイソチオシアナート(FITC)で標識し、竸合法を導入してマイクロチップ上で分析した。HSAの検量線を作成し、それを使ってコントロール血清中に含まれるHSAを定量することができた。同様の方法にて腫瘍マーカーの一つである免疫抑制酸性蛋白(IAP)を分析することも可能であった。
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