2007 Fiscal Year Annual Research Report
白金およびインジウム触媒を利用する環境調和型有機合成法の開発
Project/Area Number |
17550094
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三浦 勝清 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (20251035)
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Keywords | ビニルシラン / アリルシラン / 白金 / アリル化 / α,β-不飽和ケトン / インジウム / アルキン |
Research Abstract |
1.白金触媒を利用するビニルシランによる炭素求電子剤のアリル化:二塩化白金と銀塩(AgOTf, AgSbF_6)を触媒として用いると、ビニルシランによるアセタールのアリル化が効率よく進行することがわかった。本反応はジフェニルメタノール誘導体のアリル化にも有効である。反応系中では二重結合の移動によるビニルシランからアリルシランへの異性化が起こる。従って、本反応はアリルシランへの異性化とアリルシランによる炭素求電子剤のアリル化を経由し、Lewis酸性の高い2価白金活性種が異性化とアリル化の両方の段階を触媒していると考えられる。本アリル化は、合成が容易なビニルシランをアリル化剤として用いており、分子変換の短段階化、省エネルギー化に大いに役立つ。 2.インジウム触媒を用いるアルキンとアルデヒドのカルボニルメタセシス型反応:触媒としてインジウムトリフラート、添加剤として1-ブタノールを用いると、芳香族アルデヒドとアリールアルキンのカルボニルメタセシス型反応が進行し、α,β-不飽和ケトンを効率よく与えた。分子内反応では脂肪族アルデヒドを用いることもでき、α,β-不飽和ケトン部位を有する炭素環の構築に成功した。インジウム塩はアルデヒドの活性化によりアルキンの求核付加を促進し、1-ブタノールは不安定中間体を捕捉し、逆反応を防ぐ働きをしていると考えられる。本反応はα,β-不飽和ケトンの簡便合成法として極めて有効である。 3.インジウム塩によるアルキンの活性化と触媒的炭素-炭素結合形成反応への利用:アルキニル基を有するシリルエノラートに、水存在下、三塩化インジウムを作用させたところ、アルキンに対するシリルエノラートの分子内付加反応により環化体が収率よく得られた。トリアリールホスフィンが共存しても反応は進行するが、その添加効果は見られなかった。
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Research Products
(6 results)