2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケトンカルボニル基の活性化に基づく不斉触媒反応の開発
Project/Area Number |
17550101
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 俊郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30135628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠川 隆博 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (70300720)
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Keywords | 不飽和ケトン / 不斉Diels-Alder反応 / アルドール反応 / キラルルイス酸 / ルイス酸触媒 / 不斉合成 |
Research Abstract |
既に確立されたかに見えるカルボニル基のエナンチオ選択的活性化に基づく不斉合成反応も多くの制約を抱えている。特に、使用可能なカルボニル化合物の構造面での制約は、実際これらの反応を複雑な構造を有する生体機能分子の合成に使用しようとする際に直面する深刻な問題である。例えば不斉Diels-Alder反応の場合、二座配位型ジエノフィル配位様式が単純で構造制御が容易な不飽和アルデヒドに研究が集中しており、不飽和ケトンへの反応は、選択性、触媒効率、並びにジエンの適用範囲の面で解決されるべき多くの問題を残している。本研究では、これまでの研究で明らかとなったオキサザボロリジノン(OXB)触媒の諸特性を活用することで、ケトンカルボニル基の活性化によって触媒される不斉合成反応の開発をめざした。 ケトンの不斉Aldol反応:ジメチルシリル基の利用によりアセトフェノンとシリルケテンアセタールの不斉アルドール反応が、OXB触媒の存在化、90%ee程度のエナンチオ選択性で進行することが明らかとなった。OXB触媒の構造最適化を実施し、O-ビフェノイル誘導体が最良の結果を与えることが明らかとなった。 フランへの不斉Diels-Alder反応:フランのDiels-Alder反応により得られる7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンは、有用な合成中間体であるが、キラルルイス酸触媒反応による不斉合成の報告はわずかである。前年度の研究で明らかとなった非環式エノンの不斉Diels-Alder反応に高活性と高エナンチオ選択性を示すOXB触媒を検討した結果、フランとビニルケトンのDiels-Alder反応が高エナンチオ選択的に進行することを見いだした。また、高選択性の発現には、トルエンなどの低極性溶媒の使用が必須であることもわかった。
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Research Products
(3 results)