2005 Fiscal Year Annual Research Report
立体および電子的効果をデザインした新金属反応種の創出
Project/Area Number |
17550102
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 誠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40273601)
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Keywords | ルイス酸 / インジウム / ホウ素 / ケイ素 / かご状 / 立体規制 / 選択性 / 触媒 |
Research Abstract |
立体および電子的効果を意識した新規金属種の合成と反応性に関する以下の知見を得た。 1 スズハライドの新規ルイス酸としての設計と触媒化 かご状ルイス酸設計を行うことで、これまでに無い新しい性状の化合物群を生み出す知見を得る検討を行った。当初予定のスズ化合物を用いたルイス酸検討を行う過程で、同族のケイ素化合物の合成に成功した。炭素に比べて原子半径が大きく、その立体的要因のルイス酸性への影響を見ることに成功した。スズ誘導体については、現在検討中である。 2 かご状ルイス酸触媒として反応への利用 (1)立体規制されたホウ素ルイス酸による触媒反応を検討した。ヘテロDiels-Alder反応に対して、かご状ルイス酸は高い触媒活性を示した。一方、類似の通常の平面ホウ素ルイス酸は全く触媒活性を示さなかった。すなわち、かご状の立体規制がルイス酸性の向上と触媒化能を生み出した。 (2)インジウムとシリルハライドの組み合わせにより、系中で高いルイス酸種が発生し、これまで前例の無い、非ハロゲン溶媒中での触媒的アルコールの直接置換C-C生成を達成した。インジウムがケイ素状のハロゲンと強い相互作用を持ち、ケイ素状に新しいルイス酸点が生起するものと考えている。 3 腕部位による反応制御 当初計画したかご状ホウ素ルイス酸は、トリフェニルカルビノールを基本骨格としている。この化学種だけでなく、さらに2種のトリナフチルカルビノールの合成に成功し、この骨格の違いによる触媒能の相違を見ることに成功した。そのうちの一種はトリフェニルカルビノール骨格のものより、高い触媒活性を与えた。この知見をもとに、さらなる誘導体の合成に取り組む予定である。
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Research Products
(6 results)