2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規有機ハロシラン試薬の開発とポリマー材料への応用
Project/Area Number |
17550105
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大下 浄治 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90201376)
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Keywords | ブロモシラン / ヨードシラン / ジヨードシラン / ジブロモシラン / ケイ素ポリマー / アルコキシシラン / ヒドロシリル化 |
Research Abstract |
本研究では、新規のヨードシラン、ブロモシランの合成等価体を開発した。また、ヒドロシランから誘導できるジアルコキシヒドロシランを原料とする新規ケイ素系ポリマーの合成と、合成したポリマーの光学特性を検討した。 1)ジアミノシランとヨウ化メチルあるいはアリルブロミドの混合物が、用いるハロゲン化物の当量に応じて、相当するアミノハロシランあるいはジハロシランの等価体として働き、THF、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシドなどの環状エーテルの開環ハロシリル化に利用できることを明らかにした。生成したハロアルコキシシランは、アミノ化によって、アミノアルコキシシランへと変換することが可能であった。 2)ヒドロシロキサンポリマーとヨウ化メチルあるいはアリルブロミドの混合物をPdCl_2触媒存在下で、環状エーテルと反応させると、ポリマー上での環状エーテルの開環ハロシリル化が進行してシロキサンポリマーのケイ素上にハロアルコキシ基が導入できることが分かった。 3)ジアルコキシヒドロシランをブロモフェニルアセチレンとヒドロシリル化して得られる(ブロモフェニルエテニル)アルコキシシランをマグネシウムでカップリングして重合するとケイ素上にアルコキシ基を一つ残して反応は選択的に進行し、ポリ(アルコキシシリレンフェニレンビニレン)が生成した。残ったアルコキシ基を、求核剤と反応させると、さまざまな置換基をケイ素上に導入できる。この手法でピレニルエチニル基を導入したポリマー主鎖のフェニレンビニレンを光励起すると、ピレニルエチニル基からの発光が観測された。光励起状態で、フェニレンビニレンからピレニルエチニル基へのエネルギー移動が起こっていることを示している。同種のケイ素系ポリマーで主鎖中でのπ電子系間でのエネルギー移動の報告はあるが、主鎖から側鎖へのエネルギー移動の例は初めてであり、興味深い。
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Research Products
(2 results)