2005 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸の特異な機能と組織化を利用した高分子ナノ構造体の構築と応用
Project/Area Number |
17550112
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 秀晴 山形大学, 工学部, 助教授 (00262600)
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Keywords | ナノ材料 / 高分子合成 / 自己組織化 / 走査プローブ顕微鏡 / アミノ酸 |
Research Abstract |
一次構造が厳密に制御されたアミノ酸含有高分子を利用した高分子ナノ構造体の創製を目指した研究の第一歩として、側鎖にアミノ酸構造を有するアクリルアミド誘導体を合成し、そのリビングラジカル重合の可能性について検討した。具体的なアミノ酸含有高分子として、フェニルアラニン、及びプロリンのメチルエステル構造を側鎖に有する2種類のポリアクリルアミド誘導体を選択し、その精密合成を試みた。その結果、重合手法として可逆的付加-開裂型連鎖移動(reversible addition-fragmentation chain transfer : RAFT)重合を用いた所、適切な連鎖移動剤を選択する事よりラジカル重合の精密制御が可能であり重合条件の最適化により分子量分布の狭いアミノ酸系高分子材料を得ることが出来た。また、連鎖移動剤とモノマーの比や転化率などにより分子量が任意に制御できること、さらにY(OTf)_3やYb(OTf)_3などのルイス酸の添加により立体規則性を向上させることも可能であることが見出された。 生成ポリマーの特性を検討した結果、L-プロリンから誘導したポリアクリルアミドは水溶液中で温度応答性を示し、且つ均一な分子鎖長を有することがら非常にシャープなLCST(Lower Critical Solution Temperature)を示すことが明らかになった。また、親水性モノマーであるジメチルアクリルアミドとの共重合により得られた共重合体のLCSTはその組成比によって17〜40℃の温度範囲で任意に制御可能であった。
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Research Products
(2 results)