2006 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸の特異な機能と組織化を利用した高分子ナノ構造体の構築と応用
Project/Area Number |
17550112
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 秀晴 山形大学, 工学部, 助教授 (00262600)
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Keywords | ナノ材料 / 高分子合成 / 自己組織化 / 走査プローブ顕微鏡 / アミノ酸 |
Research Abstract |
アミノ酸の特異な機能と組織化に着目し、その高分子集合体をナノレベルで配列・集積・組織化する基盤技術の開発を目的とした。その結果、様々なアミノ酸部位を側鎖に有するアクリルアミド誘導体のリビングラジカル重合(可逆的付加開裂連鎖移動重合;reversible addition-fragmentation chain transfer (RAFT) polymerization)を用いることで、分子量、分子量分布、立体規則性などの一次構造が厳密に制御されたアミノ酸含有高分子、及びそのブロック共重合体の精密合成が可能であることを明らかにした。 特に、適切な連鎖移動剤を選択することによりカルボン酸部位を保護することなく直接リビングラジカル重合系が獲得できることを見出した。また、側鎖にフェニルアラニン構造を有するポリマー「poly (A-Phe-OH)」は、pHによってそのイオン構造が変化し水への溶解性も変化するpH-応答性といった機能を有すること、また、プロリンメチルエステル部位を有するポリマー「poly (A-Pro-OMe)」が下限臨界溶液温度(LCST : Lower Critical Solution Temperature、水溶性〜水不溶性に変化する温度)を示し、且つその転移温度は親水性モノマーとの共重合によって15-40℃の温度範囲で任意に制御可能であることを見出してきた。さらには、様々な組み合わせからなるブロック共重合体を合成し、その自己組織化に起因するナノ構造体の構築、及びその刺激応答性について検討した。その結果、これらのアミノ酸系ポリマーは用いるアミノ酸の種類により刺激応答機能、キラリティー、親水性・疎水性、水素結合・イオン結合等が異なり自己組織化に基づく特異な高次構造の形成が可能であることを見出した。
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