2005 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性交互共重合ポリイミドベシクルの生成機構解明と利用
Project/Area Number |
17550113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 一秋 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80251669)
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Keywords | 両親媒性 / ポリイミド / ベシクル / 交互共重合 |
Research Abstract |
芳香族アミンによる求核反応が位置選択的に起こることが見出されている非対称スピロ脂環式二酸無水物を用いて,親水性部位としてスルホ基ないしはテトラ(エチレンオキシ)基を,疎水性部位としてアルキル/アルキレン基ないしは置換アルキル基をもつ,種々の両親媒性交互共重合ポリイミドをワンポットで合成した。これらの化合物について,合成中間体のポリ(アミド酸)の^1H-NMRを対応するランダム共重合体のものと比較することにより,交互共重合性を確認した。 各共重合ポリイミドについて,蛍光プローブを用いる方法などにより水中で分子集合体を形成することを確認するとともに,疎水基のサイズが大きくなると臨界ミセル濃度(CMC)が低下することを見出した。また,一般的には,イミド化率が高いほどカルボキシル基が少ないため分子全体の疎水性が上昇し,結果としてCMCは小さくなると予想されるが,この系ではそれとは逆の挙動を示した。 また,動的光散乱法により分子集合体のサイズを測定し,側鎖にアルキル基を有するポリイミドに関して,1)交互共重合体の集合体のサイズがランダム共重合体よりもはるかに大きいこと,2)側鎖のアルキル鎖長が増えると分子集合体のサイズが低下することの2つの知見を得た。さらに,交互共重合体の一部についてTEM観察を行い,それがベシクルであることを確認した。 また,主鎖に剛直なビフェニルジスルホン酸部位をもち,側鎖末端にかさ高いトリフェニルメチル基をもった交互共重合ポリイミドでは,棒状の分子集合体が得られた。そのような分子集合体を形成するための分子設計の指針を合成的なアプローチから明らかにした。
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