2005 Fiscal Year Annual Research Report
フェノール残基の反応特性を基盤とする特殊構造高分子の合成とその特異的性質の解明
Project/Area Number |
17550114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 将人 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20179253)
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Keywords | フェノール / 重縮合 / ナフタレン / クラウンエーテル / カリックスアレン / ポリ(フェニレンオキシド) / 特殊構造高分子 / 酸化カップリング重合 |
Research Abstract |
1)2,6-ジヒドロキシナフタレンが塩基存在下水中で酸化カップリング重合しポリ(2,6-ジヒドロキシ-1,5-ナフチレン)が得られることが分かった。加える塩基の種類によって重合挙動が影響され、銅触媒が存在しなくても空気酸化によって重合が進行する場合があることを見いだした。 2)クラウンエーテル環を有するフェノール誘導体の酸化カップリング重合(銅触媒存在下、トルエン中、酸素雰囲気下、80℃)により、主鎖と垂直方向にクラウン環が連続して連なった特異な構造を有するポリ(フェニレンオキシド)(数分子量1万程度)の合成に成功した。また、トリエチレンオキシドとジフェニルメチレン骨格を持ったフェノール誘導体は、室温で酸化カップリング重合した。2-メトキシエタノール中ではポリマーとC-Cカップリングした二量体がそれぞれ約50%得られ、ニトロベンゼン中ではどの条件においても約80%のポリマーと約20%のC-Cカップリングした二量体が生成した。溶媒、触媒量、温度、重合時間を変化させても数平均分子量(3000)はほとんど変化せず、分子量分布(1.2)は重縮合であるにもかかわらず比較的狭かった。 3)チアカリックス[4]アレーンのフェノール残基のp-位をクロロメチル化し、それをモノマーとして、Williamson型縮合重合を行った。さまざまな塩基を用い、溶媒、濃度、モノマー溶液の滴下速度を検討した結果、乾燥DMFを溶媒とし、比較的低い濃度の(3.5mmol/L)のモノマー溶液をゆっくり(10mL/2h)滴下することで可溶性のポリマーを得ることができた。塩基を水素化ナトリウムとした際には架橋したと思われ、難溶性の固体が得られたが、嵩高いアミンや炭酸塩を用いた際にはDMF、DMSOに可溶なポリマー(数分子量数万程度)が定量的に得られた。
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Research Products
(1 results)