2006 Fiscal Year Annual Research Report
重合反応場でのナノ構造制御手法を基盤とする複合超分子の創製
Project/Area Number |
17550118
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
門川 淳一 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30241722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 芳郎 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80404474)
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Keywords | 複合超分子 / ナノ構造制御 / 重合反応場 / アミロース / ポリカーボネート / 包接錯体 / 酵素重合 / つる巻き重合 |
Research Abstract |
アミロースはグルコースがく(1→4)-グリコシド結合でつながった多糖であり、その糖鎖はらせん構造を形成している。このらせん内部は疎水場であるために、様々な疎水性低分子量化合物を包接することが知られている。一方、ポリマーをアミロース内部に包接する研究は非常に限られている。すでに研究代表者のグループでは、"つる巻き重合"という高分子間で包接錯体を得る手法を用いて、アミロースとポリエーテルやポリエステルからなる複合超分子の合成を報告した。本研究では、つる巻き重合における新しいゲストポリマーとして疎水性のポリカーボネートを用いて、対応する複合超分子を得ることに成功した。複合超分子の合成は、ポリヘキサメチレンカーボネート(PHMC)をアセトンに溶解させた後、酢酸緩衝液(pH6.2、0.2mol/L)中に分散させ、マルトヘプタオース、グルコース1-リン酸ナトリウム塩(G-1-P)、グリコーゲンホスホリラーゼを加え40-45℃で激しく撹拌することで行った。反応終了後、未反応のG-1-P及び未包接のPHMCを取り除くために水とアセトンで洗浄し、生成物を得た。生成物の構造解析をXRD及び1H NMRにより行ったところ、対応する複合超分子が得られていることが分かった。またゲストポリマーの疎水性が超分子形成に重要であることも示唆された。本研究で得られた超分子は、天然高分子のアミロースを機能性材料として利用するための基盤となることが期待される。
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Research Products
(1 results)