2006 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖上を成長末端へと移動する金属触媒による重縮合:制御された導電性高分子合成法
Project/Area Number |
17550120
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授 (80182690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 明弘 神奈川大学, 工学部, 助教 (50343637)
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Keywords | 連鎖重縮合 / 重縮合 / ポリチオフェン / ポリフェニレン / 導電性高分子 / リビング重合 / 金属触媒 / カップリング反応 |
Research Abstract |
重合によって得られる導電性高分子は分子量および分子量分布がこれまで制御されてなかった。我々は金属触媒が高分子末端へと移動しながら重縮合が連鎖重合で進行して、制御されたポリチオフェンが生成することを最近見出した。本研究ではまったく新しい形式のこの触媒移動型連鎖重縮合の一般性を明らかにし、種々の導電性高分子の分子量と分子量分布を制御することを目的とした。さらに分子量分布の狭い単独重合体およびブロック共重合体の自己組織化に基づく階層的な電気特性も検討する。本年度は1.ピロールモノマーの重合、2.ピリジンモノマーの重合、3.ブロック共重合体の合成、について検討した。 1.についてはN-ヘキシル-2,5-ジブロモピロールのひとつの臭素をGrignard化してNi触媒存在下重合を検討した。Ni(dppe)Cl_2を用いると分子量分布の狭いポリピロールが生成したが、オリゴマーも副生した。しかしながら、この重合系にdppeを添加するとオリゴマー生成の副反応が抑制できた。重合挙動はポリチオフェンの場合と同様にリビング重合挙動を示した。2.については同様なGrignard化モノマーの重合を検討したが、分子量分布の広いポリマーしか生成しなかった。3.についてはまず側鎖の異なるチオフェンモノマーのブロック共重合体を合成し、その自己組織化現象を明らかにした。次にポリチオフェンとポリフェニレンのブロック共重合体の合成を検討した。その結果、ポリチオフェンを合成後、フェニレンモノマーを重合すると、ブロック共重合体は生成しないが、逆にポリフェニレンを合成後、チオフェンモノマーを重合すると分子量分布の狭いブロック共重合体が生成することを見出した。また、ポリピロールとポリフェニレンのブロック共重合体においてもポリフェニレンを合成後、ピロールモノマーを重合すると分子量分布の狭いブロック共重合体が生成することを明らかにした。
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