2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンを利用したダイナミック機能材料の創製
Project/Area Number |
17550123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金原 数 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30282578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 浩平 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90271866)
田口 英樹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (40272710)
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Keywords | 分子機械 / 光異性化 / シャペロニン / GroEL / GFP / リフォールディング |
Research Abstract |
大腸菌由来のシャペロニンGroELの空孔部のみにシステインを導入した変異体に対し、マレイミド部位を有するアゾベンゼン誘導体を加え、空孔入り口部をアゾベンゼンで修飾した。紫外可視吸収スペクトルおよびBradford Assayにより定量したところ、シャペロニンあたりおよそ10個のアゾベンゼンが導入されていることが分かった。また、紫外可視光の選択的な照射により、アゾベンゼン部位を可逆的に異性化させることができることが分かった。この修飾変異体に対し、中性バッファ水溶液中で酸変性させた緑色蛍光タンパク(GFP)を加えたところ、これが速やかに空孔に取り込まれ、自発的リフォールディングが抑えられることが分かった。この状態に紫外光および可視光を照射したところ、ほとんど放出は見られなかった。一方、変性GFPを取り込んだ修飾変異体にATPを加えると、取り込まれた変性GFPの放出が起こった。この放出の過程で紫外光および可視光照射によりアゾベンゼン部位を異性化させたところ、紫外光照射によりトランス体からシス体に異性化させた場合には、放出速度が大きく上昇するのに対し、可視光照射によりシス体からトランス体に異性化させた場合には放出速度が大きく低下することが分かった。これらの結果をまとめると、取り込まれた変性GFPが最も速やかに放出されるのはATP存在下、紫外光照射によりアゾベンゼン部位をシス体へと異性化させた場合であり、一種のAND論理回路的な応答を示すことが分かった。
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