2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンを利用したダイナミック機能材料の創製
Project/Area Number |
17550123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金原 数 東京大学, 大学院工学系研究科, 講師 (30282578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 浩平 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90271866)
田口 英樹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (40272710)
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Keywords | 分子機械 / 光異性化 / シャペロニン / GroEL / GFP / リフォールディング |
Research Abstract |
大腸菌由来のシャペロニンGroELは、サブユニットの14量体からなる直径14.5nm、高さ14.5nmほどの大きさの円筒形のタンパク質であり、内部に直径4.5nmほどの円筒状の空孔を有する。細胞内では、ATPをエネルギー源として、空孔内部に変性タンパク質を取り込み、そのリフォールディングを助けることが知られている。その機構は詳細に検討されており、GroELにATPを添加すると、その空孔上部が開くような形で形状が変化し、取り込んだ変性タンパク質を放出することが分かっている。このような機械的な動きを起こす部位に、さらに光応答性の部位を導入することで、本来ATPで駆動するシャペロニンの機能を光で制御できるのではないかと考えた。具体的には、空孔部にシステインを導入した変異体を調製し、このシステインをスピロピラン部位を有するマレイミド誘導体で修飾することにより、GroELの空孔付近に光応答性のスピロピラン部位を導入することに成功した。得られた修飾GroELに対し、ゲストとして酸変性緑色蛍光タンパク質(GFP)を加えたところ、非修飾の変異体と同様に、GroEL内に取り込まれることが分かった。スピロピラン部位は、紫外光/可視光照射により可逆的に異性化するため、その照射波長、ATPの有無に応じて合計4つの状態を作り出すことができる。それぞれの状態での変性GFPのリフォールディング挙動を検討したところ,GroESおよびATPの存在下、紫外光照射によりスピロピラン部位をメロシアニン型にした場合にのみ、変性GFPのリフォールディングが起こることが分かった。また、この挙動は紫外光、可視光照射により可逆的にスイッチできることがわかった。
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