2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40089371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 好司 東京理科大学, 理工学部, 客員研究員 (50398822)
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Keywords | フェロセン / レオロジー / 界面活性剤 / 紐状ミセル / cryo-TEM / 電気分解 / 酸化・還元 / サリチル酸ナトリウム |
Research Abstract |
溶液のレオロジー特性を印加電圧により制御する電気粘性(ER)流体は、クラッチ、ダンパー、バルブなどへの応用が期待されることから注目されている。しかし、従来のER流体は一般に分散安定性に乏しく、実用化に向けての問題点を有している。そこで、本研究では"ひも状ミセル"溶液において発現される高い粘弾性を電気化学反応によりコントロールする新規ER流体の構築を目的として検討を行った。電気化学活性能を示すフェロセニル基を導入したカチオン界面活性剤を用いてひも状ミセルを形成し、その会合状態を電気化学反応により変化させることにより、粘弾性の制御を行うことができた。特に、最適な溶液組成の水溶液を電解すると溶液の粘度が最大で6000倍も変化することを見いだした。また、薄層型電気化学セルを用いることより、粘性変化における応答速度の向上を図ることができた。次に、電気化学反応による粘性変化の機構をレオロジー測定、cryo-TEM測定により検討した。動的粘弾性測定においてマクスウェル型の挙動が得られたことから、紐状ミセルどうしの三次元的な絡み合いが確認された。また、cryo-TEM観察によって、還元体の溶液では径5nm程度の紐状構造が観察されたのに対して、酸化後の溶液ではほぼ球状のミセルへと構造変化していることが明らかとなった。さらに、本粘弾性制御システムのインクジェットプリンター用インクや溶液中に保持した薬剤や香料の放出速度制御、流量コントロールシステムなどへの応用についても検討を行った。
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