2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550137
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
阿部 正彦 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (40089371)
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Keywords | 界面活性剤 / 紐状ミセル / 酸化還元 / フェロセン / 粘弾性 / 透過型電子顕微鏡 / 分子集合体 / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究では、溶液の粘弾性を電気化学反応により制御可能な新規電気粘性流体の構築を目指して検討を行った。これまでに、フェロセン修飾カチオン界面活性剤(FTMA)にサリチル酸ナトリウムを添加すると、ひも状ミセル形成により著しい粘弾性を発現し、電解酸化・還元により可逆的に粘性変化することを見いだしている。本年度は、さらに高効率で粘弾性制御可能な系を構築することともに、新たな展開として電気毛管乳化法に着目し、これを用いた微細エマルションの調製および界面重合法によるポリウレアマイクロカプセルの調製についても検討を行った。 1、高効率で制御可能な電気粘性流体の開発これまでは、フェロセン修飾カチオン界面活性剤に対して、有機対アニオンとしてサリチル酸ナトリウムを混合した水溶液で粘性を電気化学的に制御可能であることを報告してきたが、本年度は、有機対イオンとしてアニオン性のフェロセン誘導体を用いた粘性制御について検討した。界面活性剤としてカチオン性のセチルトリメチルアンモニウムブロミドを用い、これとフェロセンカルボキシル基誘導体の混合水溶液での紐状ミセル形成について調べた。また、水溶液のレオロジー特性に及ぼすフェロセンの酸化・還元の影響について検討した。 2、電気毛管乳化法によるポリウレアマイクロカプセルの調製と物性シリンジに接続された注射針に封入した油に高電圧を印加し、水/油界面張力を低下させた状態で油を噴霧する電気毛管乳化法を用いて、微細なw/o型エマルションを調製した。得られたエマルション滴の界面でポリウレアの重合反応を行うことにより、サブマイクロメートル径の微細なポリウレアマイクロカプセルを得ることができた。
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