2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550140
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 睦生 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (70344108)
|
Keywords | イオンチャンネル / 無機-有機複合膜 / クラウンエーテル |
Research Abstract |
ベシクルなどの脂質二分子膜中においてイオンチャンネルとして機能することが報告されている、ダンシル基を両末端に有し、アルキル鎖で三分子のジアザ18クラウン6を結合させたクラウンエーテル三量体の合成法を検討した。合成法としてジハロゲン化アルキルとジアザ18クラウン6の反応によるクラウンエーテル三量体合成法が報告されているが、副反応が多く、かつ精製が困難で低収率であったために、その改良法を探索した。まず種々のハロゲン化、トシル化アルキルとジアザ18クラウン6の反応を種々の塩基を用いて検討したが、いずれの場合も副反応が多く目的物を得ることが困難であったことから、ジアザ18クラウン6のアルキル化反応によるクラウンエーテル三量体の合成を断念し、別法による合成法を探索した。その結果、アルキルジカルボン酸とジアザ18クラウン6の反応によるアミド結合形成によりクラウンエーテル三量体を合成し、そのアミド基を還元することによって目的であるクラウンエーテル三量体を収率よく合成できることを見出した。アルキルジカルボン酸とジアザ18クラウン6の反応に用いる縮合剤として、DCC、EDC、PyBOP、HBTUを用いて比較検討した結果、HBTUが最も優れていることを見出した。その一方で酸クロライドを経由する方法は、いずれも目的物を得ることができなかった。またアミド基の還元では、水素化リチウムアルミニウムを用いた場合には副反応が起こり目的物が得られなかった一方で、ボランを用いた場合には目的物が収率よく得られることを見出した。
|