2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550140
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 睦生 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (70344108)
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Keywords | イオンチャンネル / イオノフォア / クラウンエーテ / カリックス / 無機多孔質膜 / リン脂質 / 非特異吸着抑制 |
Research Abstract |
共有結合によって基盤に固定化できる物理的に安定な有機薄膜構築分子として、コリン及びチオールを導入したリン脂質模構築分子の合成法を検討した。その結果、まずアルキル鎖のチオール部位をトリチル基で保護し、続いてヒドロキシル部位へのコリン導入に塩化ホスリホリルとコリントシラートを用いるといった合成経路で目的とするリン脂質膜構築分子が得られることを見いだした。通常のリン脂質ではエステル結合部位が加水分解されやすく、そのために膜の化学的安定性に問題があることが知られていることから、化学的に安定なリン脂質膜構築分子を目的としてエーテルめるいはアミド結合を用いた分子設計を行い、目的とする種々のリン脂質膜構築分子を合成した。合成したリン脂質膜構築分子を用いて自己集合膜を金表面上に構築し、その膜物性を検討した。アルキル直鎖と比較して嵩高くなる分子構造を反映し、単純アルカンチールよりも膜密度が若干低くなることが明らかになった。コリンを有するリン脂質をコーティングした表面は、オリゴエテレングリコール誘導体で修飾した表面同様にタンパク質の非特異吸着を抑制する表面を与えることが報告されている。そこで合成したリン脂質膜構築分子同様な分子骨格をもつオリゴエチレングリコールを導入したアルカンチオールいて自己集合膜を構築し、タンパク質の非特異吸着に関する特性を比較検討した。その結果、合成したリン脂質膜構築分子で構築した自己集合膜は、オリゴエチレングリコール誘導体の自己集合膜と同等のタンパク質非特異吸着抑制効果があることを見いだした。
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