2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化・吸着による低コスト硫黄フリー軽質炭化水素燃料の製造プロセスの開発
Project/Area Number |
17550142
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
銭 衛華 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (00302919)
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Keywords | 酸化脱硫 / 燃料電池 / チオフェン / 超深度脱中 / 吸着脱硫 / 酸化反応 |
Research Abstract |
常圧・100℃以下での酸化反応と吸着との組み合わせによって、ガソリン中の硫黄含有量が1ppm以下の超深度脱硫を行い、低設備投資・省エネルギー型の低コスト超深度脱硫プロセスの開発を目的とする。本年度では、昨年度開発した新規酸化触媒を用い、ガソリン中最も酸化反応性の低いアルキル置換チオフェン類を酸化できる反応条件の探索を行い、吸着脱硫を行った。その結果、ベンゾチオフェン(BT)、チオフェン、2-メチルチオフェン、2,3,5-トリメチルチオフェン等それぞれ10ppmをデカリンに溶かしたもの(全硫黄含有量:15ppm)を用いた場合、酸化剤/オイル中の硫黄のモル比(O/S)、LHSV、反応温度等の酸化反応条件を変化させ、いずれの硫黄化合物も酸化され、それぞれのスルホン化合物になった。また、最適な反応条件ではすべての硫黄化合物の酸化転化率が96%以上に達した。さらにいくつかの吸着剤を用い、室温での吸着脱硫実験を行い、吸着により酸化したモデルガソリンから酸化した硫黄化合物の除去を試みた。吸着剤AD1を用いた場合、酸化・吸着後モデルガソリン中の全硫黄量を15ppmから0.076ppmまで低下した。また、市販灯油(硫黄含有量10ppm以下)の酸化・吸着脱硫運転を100時間以上行い、安定に全硫黄含有量0.05ppm以下の超クリーンの灯油(燃料電池用原料油)の製造ができた。これらの結果、本課題の目標を達成し、従来の脱硫法より低コストで燃料電池用原料油の製造プロセスとして期待できることを示唆した。
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Research Products
(2 results)