2006 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒を用いた難分解性化合物の光分解メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
17550145
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
日高 久夫 明星大学, 理工学部, 教授 (70062312)
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Keywords | 光分解 / 光触媒 / 難分解性物質 / 水晶振動微量天秤 (QCM) / フッ素系有機化合物 / シアヌール酸 / 光導路分光 (OWGS) / DNAダメージ |
Research Abstract |
(1)高圧、強酸性に耐える内壁が金メッキでコートされたオートクレープを試作した。この特殊反応装置は扁平型で、セノンランプの光源をカットフィルターで分光して、サファイア製ウィンドーから導入し、反応溶液全部に光照射が可能になった。 (2)光分解や生分解が困難な物質であるフッ素含有有機カルボン酸(trifluoroacetic acid, penta fluoropropanoic acid)や芳香族化合物をポリタングステン酸H_3PW_<12>O_<40>の光触媒で分解することが できた。分解の最適条件や酸化剤の添加量の影響を検討した。この均一系光触媒では、フッ素イオンまで無機化することができた。(Chemosphere,67,pp.785-792(2007))。 二酸化チタンTiO_2の不均一系光触媒でのChloro, fluoro benzoic acidの分解については、塩素イオンへの脱塩素反応やベンゼン環の開環反応は容易に起こるが、フッ素イオンへの無機化は困難であった。C-F結合は結合エネルギーが大きく、切断が困難で、フッ素基を含む程々の酸化中間分解物が生成した。TOF-MSやLC-MSを使用し、分解メカニズムを明らかにした。 (3)光触媒TiO_2でも分解が困難なトリアジン骨格を有するシアヌール酸や農薬などの誘導体の分解することに成功した。酸化亜鉛ZnO光触媒およびオゾンや過塩素酸などの強い酸化剤存在中で反応を進行させ、反応中間性生物を詳細に追及しその分解メカニズムを調べた。特に窒素基はNH_4^+イオンとNO_5イオンへ無機化されるが、程々窒素含有モデル化合物を使いこのプロセスを明らかにした。(Chem. Eum J.,Vol 12,pp.727-736(2006))。 (4)紫外線UVAIUVB照射下でのDNAダメージを調査した。三酸化チタンや酸化亜鉛は白色顔料としてサンスクリーン剤中に含有しているが、太陽光、酸素(空気)、水分、などの共存中でDNAのSupercoil構造からRelux構造やLinear構造へ損傷される。ベシクル中にDNAを導入して、ダメージを防止する方法についても検討した。(」.Oleo Sci.,55,pp.249-261(2006))。 (5)光触媒表面への分解したい化合物の吸着および脱着は分解速度に大きく影響した。TiO_2をゾルゲル法塗布したQCMセンサーを使い、光照射下でその挙動をリアルタイムで追跡することに成功した。pH依存性について、吸脱着の揺らぎについて検討した。(Sensors and Actuator B, in press(2007))。
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Research Products
(10 results)