2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトウイルス感染への新対処法の確立:人工DNA結合蛋白質によるウイルス複製の阻害
Project/Area Number |
17550154
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
世良 貴史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10362443)
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Keywords | DNAウイルス / 複製阻害 / DNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
ウイルス複製タンパク質のウイルス複製起点への結合を阻害する、人工DNA結合タンパク質をデザインし、このタンパク質のヒト細胞用発現ベクターを過渡的ウイルスゲノム複製系に導入することにより、ウイルスDNA複製を阻害できることを実証したが、さらに、人工DNA結合タンパク質は結合できないが、ウイルス複製タンパク質は結合できるようにウイルス複製起点を変異させた過渡的ウイルスゲノム複製系を構築した。この系における遺伝子導入した人工DNA結合タンパク質の複製阻害能を詳細に検証することにより、この人工DNA結合タンパク質が、ヒト細胞内でウイルスゲノム上の複製起点へ特異的に結合することにより、ウイルス複製を阻害したことを証明した。また、より多様なウイルスファミリーを標的にできるように、人工DNA結合タンパク質を新たに数種類デザインし、各大腸菌発現ベクターを構築した。これらベクターで大腸菌を形質転換し、タンパク質を発現・精製し、各タンパク質のDNA結合能をゲル・シフト・アッセイにより評価した。つぎに数種類のウイルスの過渡的ウイルスゲノム複製系を新たに構築した。結合能評価で性能の良かった人工DNA結合タンパク質を各過渡的複製系に遺伝子導入し、複製阻害能を検証した。まだ改善の余地はあるが、現時点で複製阻害能を有することは確認できた。
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Research Products
(2 results)