2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550155
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
依馬 正 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20263626)
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Keywords | 酵素 / 生体触媒 / エナンチオ選択性 / 制御 / 変異 / アルコール / 進化 |
Research Abstract |
(1)リパーゼのエナンチオ選択性の合理的制御 メカニズムとX-線結晶構造(PDB code 1OIL)に基づいて、Burkholderia cepacia由来リパーゼのエナンチオ選択性を制御するための変異導入サイトを287番目のイソロイシンに決定した。位置指定変異導入により立体的嵩高さを上げて遅く反応するエナンチオマー(S-体)の反応性を押さえればエナンチオ選択性は向上し、逆に立体障害を取り除いてS-体の反応を促進すればエナンチオ選択性は低下すると予測した。種々の変異体を調製し、2種類の2級アルコールの速度論的光学分割を実施した。エナンチオ選択性はE値(両エナンチオマーの反応速度定数の比)で評価した。変異体酵素の反応速度は野生型酵素のものに比べて若干低下したものの、変異体の触媒総回転数TTN(3700〜8100)は、野生型酵素のもの(7600〜7800)に匹敵する結果を与えた。287番目のアミノ酸の嵩高さとエナンチオ選択性(E値)の間には明らかな相関が確認され(Phe>Ile>Ala)、合理的にエナンチオ選択性を制御(上げたり下げたり)することに成功した。現在、第2世代の変異体を構築している。 (2)カルボニル還元酵素の耐熱性の向上と触媒残基の特定 カルボニル還元酵素とグルコースデヒドロゲナーゼの両遺伝子を融合し、融合タンパク質を構築した。 (3)ヘテロ原子をもつケトンの不斉還元 フッ素や窒素原子を含むケトンの不斉還元を行い、光学的に純粋なアルコールが得られることを確認した。遺伝子発現系の効率化により、反応性の低いケトンもアルコールへ変換できるようになり、基質特異性の拡張に成功した。
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Research Products
(2 results)