2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド形成によりマルチ制御機能を持つインテリジェント核酸の創製
Project/Area Number |
17550158
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永次 史 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90208025)
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Keywords | クロスリンク / ハイブリダイゼーション / 蛍光 / 薬物放出システム / 遺伝子 / FRET / 細胞内検出 |
Research Abstract |
すでに私は標的との2本鎖内で特異的に活性化されシチジンに対して選択的にクロスリンク反応する2-amino-6-vinyl purineを開発している。さらにこの反応中で反応性官能基のマスキング剤に使ったスルフィド基で結合した分子が放出されることを確認している。本研究ではこの一連の反応を利用して、過剰発現している異常遺伝子に対しハイブリッドを形成し、その発現を調節するのと同時に、薬剤を放出することで標的蛋白の機能を制御するマルチ制御機能をもつインテリジェント核酸の開発を目的とした。まず、標的遺伝子に対して、ハイブリッドを形成し、薬物が放出されるのを細胞外から検出する方法の検討を行った。その方法としてFRET現象の利用を計画し、消光団としてダブシル基、蛍光団としてフルオレセインを持つダブル標識機能性オリゴDNAを合成した。このオリゴDNAは、フルオレセインのみを持つオリゴDNAに比べ蛍光強度が減少しており、効率よくFRET現象が起きていることがわかった。これらのオリゴDNAは試験管内で標的位置にシトシンを含む相補的配列のオリゴDNAと混合したときのみ、選択的に消光剤の脱離に伴う蛍光の増強が観測された。さらにこれらの反応をモデル細胞である細胞抽出液中で行ったところ、同様に、標的選択的な蛍光の増大が観測された。またダブル標識機能性オリゴDNAは高いアンチセンス効果を示すこともわかった。これらの結果は、今回合成したダブル標識オリゴDNを用いて、細胞内においてハイブリッド形成により選択的に進行する化学反応を、蛍光の増強により観測できると期待されるとともに、これらの化学反応が薬物放出システムとしても細胞内で機能する可能性を示したものであると考えている。
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Research Products
(5 results)