2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550159
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
長崎 健 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30237507)
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Keywords | 生体材料 / ナノバイオ / 非ウイルスベクター / 生体機能利用 / バイオテクノロジー / 遺伝子デリバリー / 細胞内動態 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
6-アミノ-6-デオキシキトサン(6ACT)へのガラクトース残基の導入を行った(Ga1-6ACT)。HepG2(ヒト肝がん細胞)に対するトランスフェクション効率は修飾率に依存し、修飾率18-50%の範囲でポリエチレンイミン(PEI)と同等、6ACTに対しては最大10倍の効率に達した。一方でトランスフェクション効率に細胞特異性は認められなかった。また、アシアロ糖タンパクレセプターへの結合の阻害実験においてもトランスフェクション効率・細胞内導入効率は変化が見られなかった。DNA複合体は粒子径測定結果から、トランスフェクション活性の高い条件では1mm以上の大きな粒子に凝集していた。クラスリン経由のエンドサイトーシスでは100nm程度以上の粒子はほとんど取り込まれないことが知られており、Ga1-6ACTのトランスフェクション活性が向上した要因は、細胞内導入効率の向上が要因ではなく、エンドソーム脱出や核内移行などの細胞内動態において、有利に作用したと考えられる。 一方、レセプター結合因子としてトランスフェリン,トランスフォーミンググロースファクターαをビオチン-ストレプトアビジンの強い相互作用を利用して、それぞれ非ウィルスベクターに導入し、プラスミドDNAと複合体を形成させた。一種のレセプター結合因子を導入した複合体と比較して高い遺伝子発現効率を示す細胞種が存在することを見いだした。さらに、遺伝子発現効率の向上が見られる細胞種では、複数のレセプター結合因子を導入することによって、細胞内への取り込み効率がさらに向上することを明らかにした。これより、遺伝子導入効率の向上が遺伝子発現効率向上の一因となっていると考えられる。また、複数のレセプター結合因子の導入による遺伝子発現・取り込み効率の向上には、レセプターを介して取り込まれることが重要であることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)