2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550160
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 北里大学, 理学部, 助教授 (30203003)
|
Keywords | 人工蛋白質 / 機能性ペプチド / 非天然アミノ酸 / ルテニウム錯体 / ビピリジン / 発光特性 / コンビナトリアルライブラリー / 固相合成 |
Research Abstract |
蛋白質はペプチドと同じ構造をもつ生体高分子であるが、折り畳み、高次構造を形成することにより初めてその機能を発現する。しかし短いペプチド鎖は一般的に折り畳まず、ランダムな構造をとることから、短鎖のペプチドに機能をもたせることは難しい。このことから本研究では、ペプチド鎖に折り畳み構造をとらせるために5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸を金属配位性の非天然アミノ酸としてペプチドに導入し、金属錯体を形成させることにより一定の高次構造をもつ人工蛋白質の設計・合成を検討した。特に、ルテニウム(II)イオンを用いることにより、ルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体をコアにもつ発光性人工蛋白質を開発し、その機能として、生体組織の中から人工蛋白質が結合する蛋白質を探索することを目的とする。本年度は主に、ルテニウム錯体をコアとする人工蛋白質の合成を行なった。しかし、ルテニウム錯体の形成、HPLCによる精製は、ペプチド配列に依存することが明らかとなってきた。そこで、このような人工蛋白質を得るために、(1)コンビナトリアルライブラリーによるペプチド配列の探索、ならびに(2)ターン構造をとりやすい配列を導入したペプチド設計を行い、ルテニウム錯体をコアとする人工蛋白質の合成に成功した。得られた人工蛋白質は、用いた配位子が非対称なビピリジン誘導体であるためfac/merと呼ばれる二種類の異性体が存在し、さらにそれぞれの異性体はキラルであり、Δ/Λという光学異性体が存在するため、これらの組み合わせによる4種類の立体異性体の混合物として得られた。本研究では、これらをHPLCにより分割、単離し、それぞれの発光特性を明らかにした。
|
Research Products
(3 results)