2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17550174
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
前田 和之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60343159)
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Keywords | メソポーラスシリカ / アゾベンゼン / 光スイッチング / 吸着特性 |
Research Abstract |
先端にカルボキシル基(CAz6Br)及びカルボキシメチル基(C1Az6Br)を有するアゾベンゼン誘導体分子を合成し、大孔径メソポーラスシリカMSU-Hの細孔表面にアミノプロピルシリル基を介して結合させた。C1Az6-MSU-Hにおけるメソポーラスシリカ細孔表面1nm^2あたりのアミノプロピル基およびアゾベンゼン誘導体の結合量はそれぞれ2.9、0.5[group/nm^2]であった。得られたCAz6-MSU-H及びC1Az6-MSU-Hは、構造規則性を保持しており、いずれも吸着容量及び細孔径が減少しているもののIV型の窒素吸着等温線を与えることから、比較的均一なメソ孔を維持していることが確認された。これらをヘキサンに分散させ可視光及び紫外光を照射することにより、細孔に結合したアゾベンゼン誘導体が可逆的なシス-トランス異性化を示すことを確認した。CAz6-MSU-Hではシス体は0℃、THF中において光照射1時間以内にはほぼ100%トランス体に戻っていた。一方、C1Az6-MSU-Hではシス体の寿命はやや長く、30分で90%保持されていた。先端にアルキル基を有するアゾベンゼン誘導体の系では光応答性吸着挙動を示した、フタロシアニン誘導体を吸着質とする液相吸着をC1Az6-MSU-Hを用いて検討したが、表面電荷の効果によると考えられる粒子凝集のため、吸着量を正確に求めることができなかった。現在他の吸着質について同様の液相吸着を検討中である。
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