2007 Fiscal Year Annual Research Report
三次元マイクロチャンネル構造を誘起する錯体超分子を利用した多次元的界面構築
Project/Area Number |
17550180
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 良紀 Osaka Institute of Technology, 工学部, 教授 (00156233)
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Keywords | シリコン表面 / 終端化 / ジチオカーバマート錯体 / アミノ酸 / アミノ酸エステル / ポリスチレン |
Research Abstract |
ジチオカーバマート錯体の分子間水素結合形成による超分子形成には,これまで明らかにしてきたアミノ酸エステル残基の中のカルバモイルプロトンと末端エステルカルポニル間の水素結合以外に,本年度には末端カルボキシル期間の水素結合も利用できることを明らかにした。末端カルボキシル館の相補的な水素結合は,錯体たよる1次元高分子鎖形成につながりて,配位子の構造によりマイクロチャンネル形成が可能である。また,このよう,な錯体超分子がビピリジルなどの水素受容体を包摂できることを見いだし,シリコン表面へ固定した場合に分子認識素子として作用する可能性を明らかにした。 また,錯体のシリコン表面への固定法に関しては,今年度新たに,水素終端化→アミノアルキル終端化→表面反応によるジチオカルバマート終端化→錯体終端化のルートで可能であることを見いだし,過年度に明らかにしたルートと合わせ3ルートが利用可能となった。しかしながら,第1段階である官能基をもったアルケンを使うアルキル終端化の効率が低い欠点があり,その改善にむけて検討を加えた。その結果,例えばアルケニルアルコールをのヒドロキシル基をエステルとして保護し,その後,アルキル終端化一脱保護することで効率よく官能基をもったアルキル終端化が進行することを見いだした。この技術を応用することで,錯体終端化にとどまらず,重合開始剤のシリコン表面への固定も効率的に行うことができた。このような開始剤を使うことでシリコン表面上に分子量を制御しながらポリスチレン層を形成できることがわかった。
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Research Products
(2 results)