2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子半導体/ナノポーラス酸化チタン界面での高分子鎖の立体構造規制と光電変換特性
Project/Area Number |
17550183
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40182901)
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Keywords | 高分子半導体 / ナノポーラス / 酸化チタン / 光電変換 / ナノ界面 |
Research Abstract |
ナノ細孔構造を有する無機半導体(TiO_2系)薄膜と高分子半導体薄膜とのヘテロ接合型素子に関して,ナノポーラス半導体界面における高分子鎖の立体構造および電子状態を解明し,その光電変換素子の特性向上を目的とする研究を行った。主鎖共役型の高分子(σ共役型高分子:ポリ(n-ヘキシルシラン),π共役型高分子:ポリ(3-ヘキシルチオフェン))においては,主鎖コンフォメーションによって電子状態が変化し,分光学的な特性に顕著な変化が現れる。そこで,種々のナノ細孔に吸着させたポリマーのフォトルミネッセンス測定を行った。ポリシランにおいては,規則構造を示す発光ピークと不規則構造を示す発光ピークの比やピーク位置のシフトが観測された。ポリ(3-ヘキシルチオフェン)においては,バルク薄膜,酸化チタンナノ粒子分散膜,ナノポーラス酸化チタン吸着膜のラマンスペクトルを測定したところ,酸化チタン表面への吸着状態の違いによって,アルキル基とチオフェン環のラマンバンドの強度比に顕著な違いが観測された。また,ポリ(3-ヘキシルチオフェン)のフォトルミネッセンスにおいても,その吸着状態の違いによって,規則構造および不規則構造からの発光強度の比の違いが観測された。ポリ(3-ヘキシルチオフェン)のフォトルミネッセンスにおいては,酸化チタンの存在による消光反応が観測され,その効率において吸着状態の影響が顕著に現れた。さらに,ポリ(3-ヘキシルチオフェン)と酸化チタンとのナノ界面のキャリア生成およびキャリアトラップ挙動を,光電流の過渡応答から検討した。
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Research Products
(2 results)