2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミネラリゼーションによるアパタイトとの高性能複合化をめざす高分子の表面設計
Project/Area Number |
17550191
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
箕田 雅彦 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (30229786)
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Keywords | 骨類似アパタイト / 有機高分子 / 高分子-アパタイトハイブリッド / バイオミネラリゼーション / ゾルーゲル反応 / チタニアゲル / シランカップリング処理 / 剥離試験 |
Research Abstract |
1.バイオミネラリゼーションに倣った手法、すなわち、表面修飾した高分子材料を温和な条件下(pH=7.40,36.5℃,常圧)で擬似体液(SBF)中へ浸漬することで、有機高分子/アパタイトハイブリッドを作製した。本年度は、有機/無機界面強度の増大による生成ハイブリッドの力学的特性の向上をねらいとして、高分子表面の化学修飾反応を検討した。ポリエチレンテレフタレート(PET)基板表面を粗面化した後、Ar雰囲気下3-イソシアナートプロピルトリエトシキシラン(IPTS)のジエチルエーテル溶液に50℃、24時間浸漬して、基板表面にIPTS残基を導入した。続いて、Ti(OiPr)_4を用いるゾルーゲル法によってチタニアコーティングした後、熱水処理(3時間)により、アナタース型を主とするチタニア結晶への変換を行った。同試料をSBFに3日間浸漬ししてSEM観察した結果、試料表面には均一なアパタイトの形成が認められた。さらに、粘着テープ[日東電工(株)製SPV、粘着力1.1N/20mm幅]を用いて剥離試験を行い、剥離面をXPS解析した結果、IPTS処理無しの試料に比して、PET基板表面をIPTSでシランカップリング処理したハイブリッド試料では剥離強度の増大が認められた。 2.ハイブリッド形成時のチタニア層とのネットワーク形成ならびに投錨効果による有機/無機界面強度の増大をねらいとして、PET基板表面へ-Si(OMe)_3側鎖を有するグラフトポリマー鎖を導入する手法について検討した。アルカリ前処理したPET基板表面をポリエチレンイミンでコートした後、原子移動ラジカル重合(ATRP)の開始点を導入し、3-(トリメチルシリル)プロピルメタクリレート(TMSPM)の重合をATRP条件下で行った。XPS解析により、PET表面がTMSPMグラフトポリマー鎖で化学修飾されたことを確認した。
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